ボートレース撮影ガイド(撮影編)

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ボートレースをどう撮るか?ぶっちゃければ「好きに撮ればいい」ってことなんだけどやっぱりある程度の指標みたいなもんは欲しいよね。構図の意図とかも知っておくと「じゃあこう撮りたい時にはこうすればいいのか」って応用もできるし。

俺のホームポジションは第二ターンマーク前からのターン

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下條雄太郎@4352

改めてこの場所で撮る理由を挙げてみると

  1. ターンの攻防を撮りたい
  2. ダイナミックな水しぶきを入れたい
  3. 水しぶきを利用して光量を稼ぎたい
などなど。光を求める受動的理由と撮りたい瞬間を求める能動的理由がうまく合致した感じ。この場所で撮る場合、シャッターチャンスは3回ある。ターンマーク突入からホームストレート再加速まで大体2~3秒、秒7コマの連写で全力だと20枚x3周で1レース60枚程度撮影することになる。枚数多くて「うへぇ」ってなるかも知れないけど、連写が出来るカメラで連写をMAXまで使わないのはそのカメラを買った意味が無いし、撮るだけ撮って後から必死こいて選別するのとそもそも撮ってないのじゃ、前者の方がいいに決まってるので遠慮せずに全力で人差し指に気合いを込めよう。

次は被写体について。

本来…というかボートレースの写真を撮りたいと思ってここを読んでいる人はお目当ての選手が居てその人を撮りたいと思ってるに違いない。俺の場合は写真としてレースを撮りたいので特に選手個人を撮るということは滅多に無い。そりゃ何人かは贔屓の(というか名前と顔が一致する程度)選手は居るが何が何でもその選手を撮りたいというよりも狙った構図にその選手が来たらラッキー、くらいの感じで撮ってる。

まず大事なことそのいち、「先頭艇を狙う」。写真として映える条件としてはこれが一番大事なんじゃなかろうか。トップということはその艇より前に誰も居ないってこと。当たり前じゃんて思ったでしょ?でもそれが大事なのよ。先頭艇を境にその先は引き波の無い静かな水面、その背後には荒れ狂う水しぶきと猛追する二番手以降の船団、唯一水しぶきを被らずくっきりと浮かび上がるのが一番手のみ。残り5艇は全て引き立て役となる。ターンの際はカメラから見て縦方向に艇が重なって見えます。その一番手前のレイヤーの艇にピントを合わせるのです。

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菊地孝平@3960

こんな感じで、一号艇を引き立てるカタチで背面の水しぶき、そしてその中に見え隠れする黄色と赤のカポック。目当ての選手が五号艇(黄)だとしても、この状態で頑張って狙っても良いシーンにはなりません。その手前に先を行く艇の影や引き波が見えた時点で1枚の写真がその前後の流れを雄弁に語ってしまうからです。

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赤岩善生@3946

ダイナミックな1枚ですが、既に2番手、3番手以降であることは一目瞭然ですよね。こうなると、撮ったはいいけど自慢の1枚…とはちょっと言い難くなります。こちらがどんなに良い機材であったとしても、選手がいいレースをしてくれないと完璧な1枚は撮れません。こうなるともう選手に先頭を走ってもらうよう応援するしかありません。こればっかりはもう選手次第です。

先頭を狙うメリット…と言うか必然性としてもう一つ、そもそも一番手前でないとAF(オートフォーカス)が効かないということです。一点のみをMF(マニュアルフォーカス)で置きピンで狙う・狙える人ならいいですが、多分無理です。ボートレースは鉄道写真を置きピンで狙うのとは全く勝手が違います。順位の入れ替わりが激しくインなのかアウトなのかまくりなのか差しなのか、状況ごとで狙う位置が微妙にずれます。レース展開を完璧に読んでいればMFでの置きピンも可能でしょうがやっぱりAFで動体追尾(AI SERVO等)で追うのが正道になります。

次に構図ですが、見て分かるように三分割法の右下に被写体が来るようにしています。三分割法とは縦横に三等分(三目並べというか”囲”みたいなカタチに)したその四カ所の交点に被写体を置くといいですよ、という構図の基本中の基本です。中央ど真ん中でも他の場所でもいいのですが、自分の距離と画角だとこれが一番しっくりきます。もっと寄れるレンズなら日の丸でもいいでしょうね。

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山本寛久@3874

動きモノや人を捉える際のお約束として、進行方向や目線の先に十分な空間を空けてその空間に物語性を持たせる、と言うのがあります。ターンして右方向へ抜けていくのに右寄りに配置するのはアンバランスなのでは?という疑問が出てくるかも知れません。俺も最初は左側に置いて撮ってたんですがすぐ「ダメだこりゃ」ってなりました。なんでだか分かりますか?答えは水しぶきなんですよ。散々あらゆる項目で取り上げられてきたこの水しぶきは、ここでも重要なファクターです。むしろここが本来の使い道なんですよ。一瞬を切り取った状態でもレースの激しさとナイターの美しさを演出してくれる、それがこの水しぶきです。向かって右から猛スピードで突っ込んできて一気に運動エネルギーを転向させる、その際にはじき出されたパワーが白い壁となって高く遠くへと舞い上がる。これを全て入れるには、艇の位置は右下でないと収まり切らないんですよね。

左上の空白も、こうしてみると生きているようにも見えますし、どうにも座りが悪いならトリミングで切ってしまえばいいです。もっとも、これ以外の撮り方もあると思いますが、艇を中央や左に寄せるということは、水しぶきが見切れる可能性が出てくるということに加え、必要以上にターンマークや消波装置が入り込んでしまってバランスが難しくなるので試行錯誤してみてください。インベタで回るのとまくり気味のターンでもまた構図バランスは変わってきますし。

あと、これはこっちでどうこうコントロールできる事じゃないんだけど、レース展開によっても見栄えが変わってくることを付け加えときます。簡単に言えば独走なのかダンゴなのか。

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独走は一艇のみにスポットライトが当たる格好なのでよりその選手が際立つ絵面になるけど、背景になる飛沫は自前の分しか無いのでターンの仕方によっては綺麗な光の壁にならない場合も多い。

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川﨑智幸@3300

じゃあダンゴがいいか、ってーとこれまたまとまり過ぎると先頭艇にかぶって邪魔だったりする場合もしばしば。でも、いい具合のダンゴだと激しい攻防を物語る演出としては最適だし、ターンの水しぶきもより激しく美味しくなる。こればっかりは本当にレース展開次第なので撮ってから考えることにしてる。

俺の撮り方をざっとおさらいすると
  • オーロラビジョンでレース展開を確認しつつバックストレートの先頭艇を途中からファインダー越しに捕捉
  • 右下のAFポイントに先頭艇を固定したままターンインからバッファ満タンになるまでずっと追い続ける
  • 二周目、三周目も同様にほぼフルバッファで先頭艇を撮り続ける
ボートレースの有難いところは、実際の12レース以外にも展示航走やレースの合間に各選手が調整やチェックで水面に出て来てくれること。もちろんレース同様とは言わないが、こちらもターンやスタートダッシュなどの撮影練習をさせてもらえる。レースでは実現しなかった選手同士の並走を撮ることもできるので、こういったチャンスも撮り逃さないで欲しい。

ざっと通しで説明したけど、お分かりいただけただろうか。カメラはケータイしか使ったこと無いって人には割とちんぷんかんぷんな内容だったと思うけど、まぁそこは直接聞いてくれれば出来る範囲で答えます。一通り説明終わったんで次はおまけショット載せておしまいにしようと思います。

 

 

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