御油祭り2010(2)

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All photos: http://photozou.jp/photo/list/166715/5225023

初日の午前中、把握できたかな?何にせよ御神輿が動くのは初日の午前と二日目の午後。その際は御神輿を盛り上げるのに全力を尽くすってこった。
じゃあそれ以外…初日の午後と二日目の午前はどーなってんの?何してんの?寝てんの?酒呑んで唐揚げ食ってるだけ?マルイチとヤマナカで買ってきたオードブルつまみながらファンタ飲んでへび花火と爆竹三昧?んなワケ無いでしょ。ちゃんと説明すっから。



御神輿、つまり神様が今日のお宿に到着したということで、メインの神事はとりあえず完了。これがお昼頃なので一旦全員解散になる。山車は町内を回ってる間に自分とこの区で順に離脱していく。家に戻ってシャワー浴びてメシ食う人も居れば、会所でごろごろする奴もおる。

会所ってのは、各区の子供連や青年や厄年会やその他の会がお祭りの間拠点にする施設。主に自区内の空き家やガレージ、駐車場などを利用する。酒には困らないパラダイス。

午後はやぐらと花火。午前中と同じように、山車を櫓に変えてそれを担いで町内を練り歩く。子供連は小さな櫓、青年は大きな櫓。計12基。当然進行役なども必要になるので大人も法被を着て出動。一部昼寝。



これが青年のやぐら。



これが子供連のやぐら。



やぐらの上で法被を振るのは年長者。昔はこんな巻きつける命綱無かったから、たまーにボロボロに酔ったまま法被振って酔いを加速させてうっかり落ちるなんてドジもあったり。ちなみに、この命綱を括ってある筒、ただの飾りじゃないよ。中は花火。手筒花火の太い奴。火薬がたっぷり詰まった筒を担いで、しがみついて半日町内を練り歩く。ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ



一人70~80Kgはあるよね。軽いいじめだよね。あまつさえ上でリズムとって揺れるからね。そりゃ、やぐらぶんぶん振り回して落としてやりたくもなるよね。



町内一周して、やぐらは音羽川(御油橋付近)の河原に並べられる。ここで夜、筒に点火されることになる。そのため、なるべく川ぎりぎりまでやぐらを寄せて設置する必要があって、その際やぐらを大きく…具体的には上に乗ってるヤツが川に落ちるまで…傾けてわっしょいわっしょいと揺らす。渇水の年は中止する場合があるけど、昔は骨にヒビが入ろうが折れようが川に落とすまでがワンセットだったような気がする。

これで大体17時頃かな。ここまでで櫓回しは終了。さぁて次は夜花火だ!

御油の花火は、どうやらちょっと特殊と言うか御油祭りならではのシステムで、普通花火と言えば「花火大会」になるじゃん?自治体が税金や協賛企業から大金集めて観光客に見せるやつ。見る人は場所取りするだけで特に懐は痛まないタイプ。御油の花火は「奉納煙火」になるので、氏子である町民がみんなで花火を奉納する。「花火を奉納する」という言葉を噛み砕くと、ダイレクトに花火の玉そのものを購入する、ということ。

遡ること2ヶ月ほど、その区の青年たちが各家庭を訪問し、今年の花火のご注文を訊きに回る。昔からの家は毎年恒例なので慣れたもの「去年と同じで」と言えば青年も過去の履歴を見て「では夜の六寸でお願いします」と料金を頂く。お店を経営してたり、町内会の顔役みたいな古い家だったりするとちょっと大きな玉にしたり。まぁそこらへんは近所付き合いとか力関係だよね。そうして集まった花火は町内で打ち上げ順序などを調整して一冊の本に仕上げる。通称「プロ(グラム)」と呼ばれる。



一戸一玉ってわけじゃなくそれなりの金額なのでご近所で連名、ってのもあるし逆に何玉も買う「馬鹿」もいる。まず町内の分で揚げる、でもって花火の会で揚げる、厄年や他の会も掛け持ってたらそっちでも揚げる。更に今年は結婚だ出産だってことになればそこでまたお祝いに尺玉を揚げちゃうか!と夏ボがまるまるすっ飛ぶのも御油の夏の風景。そんなこんなで、一夏に揚げる花火の玉数は公称3000発。って市のページには書いてあるけど、多分もっと多いと思う。打揚げ前の手続きなどで申請に行くと「御油は自治体でも無いのに毎年申請火薬量が上がってますよね。ちょっとケタ違いなんですけど」とよく分からない文句を付けられるという話を小耳に挟んだことがある。そりゃあ毎年花火に魅せられる馬鹿は増える一方なんだから、仕方ないよね。

こうして、御油の花火は全てが「個人の財布」から成り立っている。だから全ての花火が「あれウチの!」になる。打ち上げるのはその区の青年。やぐらを担いでいる最中、大半の青年(の上の人達)は筒場に入って夜揚げの準備をする。もちろんその間にも昼揚げは行われてる。常に誰かが花火を揚げているのが御油祭り。

そして日が暮れる頃、花火の打揚げが始まる。基本的には山から揚がる打揚げ花火と、川の櫓花火や仕掛け花火。川に居ればどっちも見ることが可能なんで、御油橋付近は早目の夕ごはんを済ませた町民がどっと押し寄せる。人混みが苦手だったり、親戚が集まって酒宴が盛り上がっている家は、ベランダや庭に出て打揚げをまったり鑑賞。

御油のお祭りは、岡崎の花火大会と同じ日に行われるので、三河エリアの人は大抵岡崎の見物に行っちゃう。豊橋の人も浴衣に着替えてカレカノで東岡崎行きの特急に乗り込む。国府なんてノンストップ。だから御油はあんま純粋な観光客ってのを見かけない。まー客商売の夜店だって5軒かそこらくらいしか無いので、本当に「知ってる人は知っている、知らなきゃ3割も楽しめない」完全内向きの地元民専用イベントなのでこれはしかたない。だから御油祭りの写真を撮りに来る人も、情報が無さ過ぎてプランどころじゃないんじゃないかな?とりあえずこれを読んで何が起きているのかの片鱗だけでも知って欲しいね。

んで花火。川は三脚立てるどころじゃないので俺は山メイン。家が筒場のすぐそばってこともあるんだけど。



こうやって上昇中の軌跡が見えるのが「昇り銀龍」っていう付き物



小さな花火が咲くのがそのまま「小花」。あと音が鳴る「笛付き」っていうのもあるよ。華自体の種類は山ほどあるので割愛。花火が光の線を描きながら昇って行ったら「お、龍付き」とかつぶやけばなんか通っぽいから覚えとけ。



筒場からは数百メートル離れたところで入場制限が入るけど、そこにギリギリまで近づくと四寸や六寸でも凄く腹に響く。まして尺玉なんて全身の骨が震えるレベル。

御油の花火を撮りたい外からの写真家は、場所の確保と花火のプロをなんとか地元民から手に入れること。花火買った家には1冊配られるし、買ってない家も1000円で買えたはずなので金で解決することも可能。どっかの青年や厄年の会所で土下座すればなんとかなるんじゃないかな?w

町内の花火を揚げて、最後に青年がスターマインを揚げて、初日は終了。明日も早いよ、お疲れ様!!

 

 

2 Responses

  1. みみどっと says:

    すごいね?!フォト蔵の写真にも一枚一枚に愛が溢れてる感じ。最初の男の子がものすごくいいね。大人になったら宝物になる写真だと思う。全体のお祭りや花火の説明も詳しくて、大変勉強になりました!

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